なぜ弊社がIKEA家具の運搬と分解組立てを断っているのか?
IKEA(イケア)の家具を店舗やネットで購入する方が年々増えています。
けれどお客様はIKEA家具の注意点は理解しておりますか?
10年以上引越しをやってきた我々も、引越し作業でのIKEAの運搬や、分解組立を断らせて頂くことがあります。
新品IKEA家具の組立て代行サービスを行っている弊社が、
なぜ引越しでIKEA家具の運搬と分解組立てを断る場合があるのか。
その理由をこれからご説明します。
イケア(IKEA)とは?
イケア(IKEA International Group)は、スウェーデン発祥で、ヨーロッパ・北米・アジア・オセアニアなど世界に出店している世界最大の家具販売店。 家具といったらイケアというほど世界では浸透している。その理由は低価格、デザインのよさ、アフターサービス面のよさなど。 by ウィキペディア |
引越しに不向きな理由
IKEAの家具はバラバラの板などのユニットを組み上げる仕組みで、組み合わせる際にはかなりの多くの板とネジを使い組み立てていきます。
通常日本の家具は分解といっても板になるまではバラバラにはなりません。そのためにある一定の法則で分解から組立まで出来るのです。しかし、IKEAの家具はバラバラ過ぎて一定の法則も何もないのです、とにかくバラバラにして組み立てるという行程をくり返さなくてはなりません。
また、ネジが多すぎてネジ山が潰れていたり、強引に組み立てられたために分解できない状態の物もあります。そして、飾り棚やワードローブの裏面は釘を打ち込むことがあったりして、仮にその釘を抜けたとしても、釘が曲がったりしていて、同じように打ち込む事は難しいです。
「木ビス」が分解組立を困難にする
「木ビス」とはどのような物かと言いますと、通常のネジは受け手も金属の板やナットになりますが、「木ビス」は受け手が合板であり、板そのものになりそのまま板に挿入するものになります。
通常の家具はネジも受け手も金属のために容易に分解組立が出来るのですが、「木ビス」を使用した物は分解と組み立てを想定していません。
例えるのなら「カラーボックス」は「木ネジ」で組み立てます、しかし一度分解してしまうと再度組み立てた際は強度を保てません。受け手の穴が広がってしまっていて強く密着できない為なのです。
IKEA家具の運搬と分解組立てを断る場合があります。
上記の内容から弊社はIKEAの家具の分解と組み立てを断ることが多いのです。
その理由の一つとしては、引越しの時間が掛かり過ぎるという事もあります。IKEAの家具は分解にしても組立にしても引越し作業員が付きっ切りになる必要があるのです。
引越し業者は運搬に必要である最低限な家具の分解と組み立てはしますが、IKEAの家具については最低限のレベルではありません、専門の作業員が最低1名以上は付きっ切りで必要になるレベルなのです。
そして、そこまでの時間を費やしても強度が落ちてグラグラするなどのクレームや不満が残ってしまえば誰も得をしません。
その為に引越しの依頼をした本人に分解と組み立てをして頂くか、専門業者に依頼してくださいという流れになるのです。(まあ、その専門業者のレベルも疑問に残る所です)
他社が拒絶しなかった場合
他社の引越し業者がIKEAの家具の運搬について何も言わなかった時は注意してください。
何も注意事項を言わないのは大丈夫という訳ではなく、ただ単にIKEAの家具ということに気が付いていないかIKEA家具の知識がない事がほとんどなのです。
引越しの営業マンといえどハッキリ言って家具の事なんか分からないのです、家具屋さんじゃあるまいしそんな知識はほとんど持ち合わせていません。
必ずIKEAの家具がある場合は引越しの見積り時に営業マンに伝える事は忘れない様にして下さい。営業マンに聞かれなかったといって問題ないのかな?なんて都合の良い解釈は絶対してはダメです。
IKEAの家具と伝えていなかった為の事故
営業マンも事前に気が付かず、お客さんも伝えていなかった場合に何が起こるのでしょうか?
当然の事ですが引越し当日に作業員が対応することになるのです。引越し当日にIKEAの家具と発覚すれば営業マンの確認ミスという事で運搬してもらわないと困るとクレームを付ける事になると思います。
そこで無理やり運ぶ事になるのです、しかしIKEAの家具は本当に引越し屋泣かせなのです。まともに分解組立を行なっていれば時間が全然足りません、それこそ引越しの時間が倍掛かることもあるのです。
実際あった過去の全損事故
引越し当日にIKEAの家具と発覚したのですが、引越し作業員は何を思ったのか分解はとても時間が掛かるので諦めたのです。
ではどの様に運んだかと言うと2階からの引越しだったのですが、当然のことながら分解しないと家具が大き過ぎて通路を通す事が出来なかった為に、分解しないままで作業員は驚く事をしたのです。
なんとかなりの大型の家具だったのですが、ベランダからロープで吊り降ろそうとして重みに耐え切れずに落下させてしまったのです。
結果は家屋は破損、そして家具は全損になって買い直しとなったのです。
IKEA家具をお持ちの場合は、見積もり担当者に一度ご相談ください。
我々は引越しの営業マンも引越しの作業員も「プロ」です。
しかし、我々でも全てのIKEA家具を一度見ただけで見抜けるわけではありません。そして、IKEA家具の対処も引越し当日に全て対応しきれないことがあります。
弊社はいつも完璧な引越しをやりたいと思っております。
IKEA家具をお持ちの場合は、見積もり担当者に前もって「IKEA家具を持っているのですが、どうすればいいでしょうか?」とご相談頂けると助かります。
ご相談さえしていただければ、我々引越しの職人が対応方法を検討し、お客様にいくつか提案する事ができます。
お互いが楽しく幸せな引越しができるように是非、ご協力ください。よろしくお願い致します。
当日、IKEA家具であることが発覚し、分解しないと運べないと判断した場合の対応方法
弊社では下記の2つの対応をさせて頂きますのでご了承ください。
対応方法1:破損保証対象外での解体作業をして分解して運ぶ
対応方法2:IKEA家具の運搬をお断りする
まとめ
実際、この記事を書こうと思った時、お客さんが減るのではないかなど迷いもありました。けれど、お客様には正しい引越しの知識を身につけ、弊社を信用し、安心して依頼をして頂こうと思いましたので記事にしました。
IKEAの家具はデザインの良さとお値打ちという観点で魅力があると言って良いと思いますが、引越しを考えると大きなマイナスがあることも理解しておいてください。
IKEA家具を引越しで運ぶときの参考にして頂ければと思います。
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